2004年 9月号



 
良いハンドルの条件

ンドル(正しくはステアリングホイールと言う)ほど運転する
ときに多く触れるものはない。ライバルはシートとペダルくらいだ。
その中でもハンドルは感覚の豊かな手に触れるのでクルマの印象
を決めるのに大きな部分をしめる。その良し悪しや好き嫌いを決め
るデザイン。一つずつに検証していきます。レーシングカーが小径
のハンドルを採用しているので小さくて太い方がかっこいい風潮が
あるが、乗用車はむしろ大き目の方が扱いやすい。握りも同様、
太目が多い昨今ですが握って太いと感じるものは違和感がある。
直線路などでは無意識に小刻みな修正を絶えず行っているので
小径ハンドルでは敏感すぎて正確な操作ができない。力も余分に
必要で操作遅れになり後追い操作になりやすい。
かなり極端に言えばタイヤの角度を同じだけ修正するのに1ミリ
切って修正するのと1センチ切って修正するのでは使う神経が全然違う。
1ミリの操作ができますか?そんなに研ぎ澄まして運転できません。
ロングドライブになれば疲労の差は歴然。クルマは敏感よりも大らか
な性質の方がいい。さらに極太ハンドルカバーをつけると路面情報
も伝わりにくい。同じクルマでもハンドルひとつで大きく変わる。

材についてもひと言。高額車を中心に世界的に流行している
レザーとウッドのコンビタイプ。視覚的高級感をねらったものと思
われるがハンドルは飾っておくものではなく握って回してナンボ
の物。持ち変えるたびにレザーとウッドの感触が交互に変わるの
はいかがなものか。レザーはしっとり、ウッドはツルツルで温度差
もある。勘違い商品。残念!レザーだけにする方がいいと思うが
最近のレザーハンドルは一枚皮でなく継ぎはぎだらけなので
イマイチ。最近はあのポルシェまで継ぎはぎ。いっそのこと見苦しい
インチキレザーハンドルより軽トラックや小型車の樹脂性ハンドル
の方がよほどいい。 見栄えにこだわったハンドルでよいモノが
あったためしがない。

栄えよりも操作性で勝負しているハンドルもある。欧州フォード
(フォーカス、モンデオが代表車種)が歴代採用しているデザインだ。
手のひらの当たる部分(リムの外側手前)がミソで普通は丸かったり、
角があるのだが、フォードは平らに近い形状。極端に言うとグリップの
断面が○ではなく▽なのだ。▽←ここの平べったい部分に手のひら
が吸い付くようにフィットして具合がよい。このハンドルはマツダ車を
フォード・ブランドで販売したレーザー(ファミリア)やテルスター(カペラ)
にも付いていた。ファミリアやカペラにはつかなかった。とてもいいの
に他では採用されていない。特許があるのか、それともいいと思うの
はフォードのハンドルデザイナーと私だけか。
最後に。キング・オブ・ハンドルと言えばスカイラインR32GT-R。
スポークの先がリムの付け根のところで盛り上がっていて、手のひらに
うまい具合に引っかかって…絶品です。これこそ飾っておきたい???












 
 
 
やっぱりディーゼル

前にも書いたが、ディーゼル乗用車がいい。日本の新車ラインナップ
からディーゼル乗用車が消えて久しい。ダイハツのシャレードに使われて
いたディーゼル以外は純粋に乗用車用として開発されたものはほとんど
ないと思う。RV車やバン、小型トラックと共用のものが大半でメーカーも
真剣に乗用車専用のディーゼルエンジンを開発してこなかった。
今のクルマは安全装備が盛り沢山でどうしても重くなる。色々な工夫で
良いガソリンエンジンを作っても実用燃費においてさほど昔より良くなって
いるとは言えない。ハイブリッド車にしても渋滞ではいいが、高速で
ガンガン走ると普通のクルマより燃費が悪くなることもある。


ディーゼルはどんな条件でも持ち前の燃焼効率の良さという原理的に
優れた特性ゆえに燃費がいい。昔は、技術不足で原理的優位さが
スポイルされていた。経済的だがうるさい、アイドル時の振動がひどい、
加速すると黒煙が出る等など。だけどこれらの欠点に目をつむることが
できた人々には絶大な支持を得た。現代ではコモンレール式(注1)など
の技術革新で、欠点は見事に払拭され長所がさらに磨かれている。
ヨーロッパでは経済的にも、ファン・トゥ・ドライブ的にもガソリン車を越え
るものが出来ている。1000ccクラスから高級車クラスまで。
今、問題になっているCO2の削減にも良い。CO2はガソリン車の3/4程
度しか排出しないのだ。
その前に欧州並みの低硫黄軽油の普及の課題もあるが。

いいことばかりのディーゼルがなぜ日本で普及しないのか。
理由のひとつにメーカー側が積極的でないことが挙げられる。
良いモノが必ずしも売れるとは限らない。良さそうに見えるモノが
売れるのだ。だったら実際いいモノなのだからよく見せればいい。
キムタクとかぺ・ヨンジュンとか高倉健を使って。“冬ソナ”でヨン様
の乗ったフォードエクスプローラーは日本ではマイナーなクルマだが
注文が殺到したという。技術的に行き詰まりの感があるガソリンに比べ
ディーゼルは真剣に開発してこなかった分まだまだ進歩の余地はある。
「ディーゼルは今、すごいことになっている!」
注1) 燃料を超高圧にして貯めておき、
    最適な供給時期と量をコントロールできるシステム













猫にご用心

れから寒くなる。走ってきたクルマは暖かく朝まで駐車している
クルマは野良猫にとってかっこうの寝床。下にもぐるだけならいい
のだが、エンジンのアンダーカバーに入り込むヤツがいる。
たいていは小さな子猫。朝、ドアの開け閉めなど大きな音や振動が
出るのだが気がつかない。エンジンの前部にいると無惨でファン
ベルトに巻き込まれて即死。ベルトがちぎれたり、外れたりする。
秋から冬、近所に子猫がいたらご用心。でも毎回ボンネットを開けて
覗くわけにもいかず、クラクションを鳴らして起こすのも近所迷惑だ。
ましてや朝の出かける時にそんなこと考えている余裕などないのが
実情。特にトラックやバンタイプのクルマはエンジンのアンダーカバー
の隙間が大きくて猫が入りやすい。こういう猫がらみの修理依頼が
年に一回ある。